ヴィーナスとあひるの子 * 国立西洋美術館 [art*世界]
Roses bloom in May.
今年最初のバラはイレーネ・ワッツでした。
ベランダでもう7~8年育ているチャイナ・ローズです。
太陽光によりさまざまな色あいに変化する品種なので
蕾の時期に強い日差しを浴びると縁がピンクで、花弁はアプリコットのグラデーション。
盛夏にはコントラストが強くなり、秋には淡いピンク色。
5月にはいって曇りが続いたので、これはクリーム色になりました。
こちらは、散歩途中に見つけた名前の知らない花。
緑と紫は欧州の色づかいね。
剪定したブドウのカベルネ・ソーヴィニオンの赤ちゃん。
4房落として、残りは4房。
これがまんまるの粒になるのね~。
成長が楽しみです。
天真爛漫なシャルドネは
のびのび育っています。
ベランダで水遣りを終えたら自分にも栄養を。
最近の朝ごはんはこんなかんじ。
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濱の森から江戸の森へお出かけしました。
行先はココ。
では、地下へと潜入。

ラファエッロ・ヴァンニ≪キューピッドをしずめる「賢明」≫
油彩/カンヴァス103×83cm
しー・・・静かに。
ここは美術館ですよ。
めずらしい着衣の理知的なヴィーナス。
青い衣だし、マリア様ちっくなのです。
窘められているのは矢を携えたプット(キューピッド)なので、たしかにヴィーナスね。
天使が武装している場合は大天使ミカエルなので、もっと強そーなのだ。
(いろいろな天使はこちら)

アンニバレ・カラッチ≪ヴィーナスとサテュロス、小サテュロス、プットー≫ 1588-89年
油彩/カンヴァス 112×142cm
こんなふうに誘惑されているほうが彼女らしいよね。
サテュロスは山羊の足と角をもつ森の精で好色のシンボル。
おっと、ヴィーナスの右手が「グー」になりかけているよ、サテュロスさん。
小サテュロスを潰している場合じゃないよ。
そろそろあきらめて帰ったほうがよさそうよ。
健康的な女性に囲まれて。
なんだかスポーツクラブのロッカールームにいるみたいな気分(笑)

ティッツァーノ・ヴェチェッリオ≪ウルヴィーノのヴィーナス≫1538年
油彩/カンヴァス 119×165cm
どの角度からも目があっているように見えてしまう彼女。
ユーモアがあって頭の回転が速そうじゃない?
女性から見てもとっても魅力的。
うーん、ちょっとお話してみたいなぁ・・・
部屋着を着てもらって、ワインを片手におしゃべりしてみたい(笑)
なんだか知っている絵がたくさんあるぞ、と思ったら
ヴィーナスがメインの美術書を持っていたのです。
(その美術書の記事はこちら)
モネにも会ってに行きましょう。
「大回顧展」で、モネの作品のうち多くが日本にあると気付き、
しかも国立西洋美術館の収蔵品だったなんてね。

クロード・モネ≪雪のアルジャントゥイユ≫1875年
モネは雪もばらいろ。
雪をふみしめる、きしきしという音が聞こえてきそう。

クロード・モネ≪陽を浴びるポプラ並木≫1891年
青空の下の、ばらいろの並木。
この道はどこへ続くのでしょう?

ポール・シニャック≪サン=トロぺの港≫ 1901年頃
油彩/カンヴァス 131 x 161.5 cm
港でした。
改装中のため、常設の展示は絞り込まれていますが大好きは作品はもれなく見られたので大満足。

ジョン・エヴァリット・ミレイ≪あひるの子≫1889年
こちらの視線と心を捉えて離さない少女。
滅多にしないことだけれど、はじめてこの作品に出会ったときには、思わずソファーに座りこんで備付の解説をめくりました。
残念ながらモデルや絵が描かれた背景について詳しいことはわかっていないそう。
(ミレイの代表作は先日Inatimyさんがご覧になった≪オフィーリア≫です)
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まったりとした昼下がり。
ボサ・ノヴァやピアノ・デュオを聴きながら
ちょっとけだるい"Like A Virgin"に
「これってマドンナ(聖母)っていうより、むしろヴィーナスのつぶやきじゃない?」
って考えたりもする。
うふふ。
だって、ヴィーナスこそ「恋多きオンナ」の代表でしょ(笑)

では、今日はこのへんで。
おやすみなさい。
2008-05-09 23:26
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カラッチ見て、マニエリスムを集めた画集を
久々に紐解こうかな!と思いました。
このあたりの謎めいた絵画、好きなんですよねぇ~
by wino (2008-05-10 00:23)
新緑の季節、バラの季節ですね!
こうやって写真で見せていただくと、季節の移り変わりがはっきり
わかります。
ヴィーナス展、見ごたえのある絵が多かったですね~。
ウルビーノのヴィーナスに
<部屋着を着てもらって、ワインを片手におしゃべりしてみたい>
っていうのが、おもしろい。ワインが登場するのが、てんちゃんらしいです。
by TaekoLovesParis (2008-05-10 00:39)
ゼニアオイというそうです。頑健で旺盛なので、我が家では侵食するものの代名詞。切ろうとすると、祖母が止める。どうしろと!?(笑)
欧州系に見えて中国原産です^^
イレーネ・ワッツがちょっと日差しの強い春に、清涼な爽やかさをそえてますね。
by crow (2008-05-10 00:55)
葡萄ちゃん、間引いちゃうの勿体ないなあって思ったらダメなのね。
by たろちぅ (2008-05-10 04:18)
このバラの色、好きかも♪
今日、散歩途中にバラらしき花を撮りました。 ちょと淡いピンクの入ったクリーム色からクリームイエローへのグラデーションの花。
あ、例の並木って、この絵だったんですね。 きっと、この先には、チューリップ畑♪ 「どこでもドア」ならぬ「どこでも並木道」・・・かな。
私が、すぐに名前を忘れてしまう画家、シニャック。 この画家のこの絵も好きだったり♪
ミレイのこの少女とアヒルの絵も、もし見たら、きっと絵葉書買ってると思う。 この服の色とアヒルの色、ボビンレースの練習用にと白以外に買った2色の色糸と同じ♪
もちろん、クマのプーさんもお気に入り♪ でも最近は、イーヨーに移り気・・・。 ・・・遠くにいるのに、なんとなく、つながってる気がする。
by Inatimy (2008-05-10 06:04)
バラが見事な花を咲かせていますね。
ポプラ並木は連作で何枚も異なる季節でも描いていたんですね、ナショナルギャラリーにも2枚並べて常設展示あります。世界の美術館に何枚あるんだろうか、浮世絵の影響を強く受けている構図が大胆ですね。
bump,bump,bump,ってプーの頭を階段に打ちながら、クリストファーに連れられて部屋に戻る後姿の終わりを飾る絵でおやすみとはおしゃれ♪
by いっぷく (2008-05-10 06:56)
色々な植物が拝見出来て嬉しいです。
「最近のこんな感じの朝食」はヘルシーで美味しそうですね〜。
美術館に行くのって自分の中では理想の時間の過ごし方の一つですが... でもホント最近行ってないなぁ...
あとモネの作品を観ると、大学時代にモネについてリポートを必死で書いたのを思い出します。
by Taddy (2008-05-10 13:41)
今年もイレーネワッツが綺麗に咲きましたね^^
淡い色あいがとてもやさしげ、以前見たピンクの色が強いのも魅力的だけれど、こちらも清楚で良いですね♪
今の季節の森は新緑が綺麗で日差しがまぶしいくらい!!
気持ちよく伸びをした後に絵画鑑賞、素敵な1日ですね^^
by やまあらし (2008-05-10 21:02)
ミレーのお嬢ちゃんにそっくりな少女がアルザスにいます。
写真撮るときも同じ顔で、同じ目線をくれます。
将来相当有望な醸造家の卵よ^^
絵を見てビックリしちゃったです。
by julliez (2008-05-10 21:53)
若葉のころって,山や森も,行く先々で色合いが違うのがいいですよね。そしてバラの季節ですねえ。お庭やベランダできれいに咲かせているお家を見かけると,つい立ち止まって見とれてしまいます。
by トムヤム (2008-05-11 09:20)
最後のプーさんになんかほっとしちゃったw
スポーツクラブのロッカールームってw!
ワイン片手に、私も混ぜてください♪
ヴィーナスさんはどんなワインがお好みなのかな??
by シェリー (2008-05-11 11:54)
お久しぶりです
薔薇は色が変わるのですね
ビーナスも物語があっていいな~
by pace (2008-05-11 14:45)
wino様☆
神話に基づいた絵画は画面の隅々まで寓意に溢れているので、「これはアレ、この色はアノ意味ね」という謎ときも楽しいですね。
Taeko様☆
季節の移ろいはとても速く、前記事のツツジや藤の花はもうほとんど見られなくなってしまいました。
いっぽう葡萄が開花し、胡蝶蘭の蕾もほころびはじめています。
Taekoさんもこの展覧会に行かれました?
ウルビーノのヴィーナスは表情がとても魅力的でしたね♪
crow様☆
ありがとうございます。
ゼニアオイ、ゼニアオイ・・・覚えとこ♪
そういえば葉の形がアオイですよね。
おばあさまが大切にされる気持ちも納得の愛らしさです。
たろちぅ様☆
もったいない気もしますが、すべての房を残しておくと株への負担も大きいような気がしたの。
残りのブドウよ、元気に育ってね♪
Inatimy様☆
そう、この並木道の先はチューリップ畑なのです♪
Inatimyさんの記事中でアプリコット色のチューリップに、「あ、イレーネ・ワッツと雰囲気が似ているかも♪」と感じました。
嬉しいな、シニャックもミレイは、とても魅力的な作品ですよね。
そして、私はプーさんからティガーに移り気かも(笑)
こんなに遠くにいるのに不思議だけど、
なんだかInatimyさんとつながってそーですね♪
カフェオランジュ様☆
nice!ありがとうございます。
yonkichi様☆
nice!ありがとうございます。
いっぷく様☆
モネは睡蓮だけではなく、並木道も多く描いていたんですね。
箱根のポーラ美術館に睡蓮で好きな作品があるので、行こうと思っていますが、ロンドンにはミレイのオフィーリアもあるし、美術館めぐりに行かなくては!!とまた心に誓っております♪
うふふ。
プーは、いっぷくさんのテディ・ベアを拝見して思い出した挿絵です♪
階段をのぼりおりする何か別の方法があるにちがいない・・・と思いながらもbump,bump,bumpと頭をぶつけている図。
プーの身になると、ちょっと気の毒ですがユーモラス(笑)
yonkici様☆
nice!ありがとうございます。
Taddy様☆
えーと、実態は食べ物日記ですが、タイトルに「庭」がついているのは、そもそもガーデニング・ブログ記録にしようと思っていたからなので・・・(笑)
美術館で、ゆったりと作品とむきあえると心のオアシスになりますね。
うん、私にとっても理想の時間の過ごし方のひとつかもしれない。
わぁ、Taddyさんはモネについて勉強されたんですね♪
どんなこと書かれたのかしら。
ちょっと知りたかったりして。
やまあらし様☆
やまあらしちゃんお気に入りのイレーネ・ワッツが咲きました。
原種に近いため、茎が細くて花の重さを支え切れないうえ、蕾のうちに切ってしまうと開き切らないのでブーケをつくってプレゼントできないのがちょっと残念。。。
いま開きかけているのがもう少し濃いアプリコット色なので、また撮ってのせますね♪
julliez様☆
え~っ♡
そんな少女がアルザスにいて、しかも将来有望な醸造家の卵だなんて♡♡
トムヤム様☆
上野の森は桜の季節もいいけれど、こんな新緑の季節もスキです。
そういえば、うちのベランダは2階なので、ご近所の方もちょと目線を上げてバラを楽しんでくれているらしいデス。
シェリー様☆
なんだか私もほっとしたくて最後にプーさんにご登場いただきました♪
ヴィーナス展では、あまりにもおおらかなハダカの女性に囲まれてしまい、なんだか居心地が悪くなってきて。。。。
でも知ってる雰囲気でもあって、「あ・・・この雰囲気は女湯とゆーか、スポーツクラブのロッカールーム」と感じてしまったのです(笑)
服を着ている絵があると安心しちゃったりして(爆笑)
ヴィーナスが飲んでいるワイン・・・って考えると面白いですね。
バッカスじきじきにスペシャルな逸品を手渡されていそうですが・・・。
うーん、妄想がとまらなくなりそう♡
pace様☆
そうなんです。
光線の強さによって花の色が変わるとは自然の神秘ですね。
ヴィーナスの絵画は画面の美しさはもちろんのこと、物語を想像する楽しみがあって好きな題材です。
by てんとうむし (2008-05-11 16:04)
ラナ様☆
nice!ありがとうございます。
ノヘア様☆
nice!ありがとうございます。
nyan様☆
nice!ありがとうございます。
by てんとうむし (2008-05-13 00:52)
ラファエロ、ミレイ・・・いいですよね~♪♪♪
by yuko (2008-05-13 23:36)
yuko様☆
ミレイいいですよね~。
そして、過去記事のラファエロも見てくださったんですね。
ありがとうございます♪
by てんとうむし (2008-05-15 00:08)